59歳の転職、60歳からの生き方

59歳の転職

2019年7月31日で36年4ヶ月続けた営業の仕事を辞めました。勤めていた会社には65歳までの雇用延長の制度もありましたが70歳、あるいはそれ以上働ける仕事を見つけたくて59歳になる直前で会社を辞めました。2024年で転職から5年目となります。自分のメモ、振り返りもかねて59歳の転職についてこのページで書いていきます。少し残念な万年平サラリーマンの転職日記です。

2023年11月27日、右肘を骨折するけがをしました。かなりひどい骨折でしたがプレートを入れ、右腕を使うこと以外はできるようになりました。しかし体を使う今の仕事ができるようになるまで2ヶ月は掛かります。それまで現在の仕事が残っているかどうか不安があります。もしかすると63歳の転職となる可能性もあります。休業中に今後の60代の暮らし方、働き方を考えていきます。

なぜ59歳なのか、なぜ55歳あるいは60歳ではないのか

まず雇用延長でなく転職を選択した理由です。60歳以降も会社に残った場合、技術者でも事務系、営業系のエキスパート(例えば経理部長経験者)でもなかった自分ができる仕事がイメージできませんでした。また会社側からの強い要望がない限り、現職を続けることは選択できません。そのため55歳ころから60歳以降は別の仕事をしようと考えていました。

そして求人サイト、求人誌を見ると多くの会社で年齢は59歳までとなっています。定年が60歳となっているためです。定年前に採用になれば65歳あるいは70歳まで雇用延長ありの会社が多くありました。別の会社に移るのであれば60歳の定年までいたのでは選択肢がほとんどなくなります。そのため59歳になってすぐ就職活動をスタートできるタイミング、7月31日で退職しました。

60歳前に転職するのであれば少しでも早い方がいいと思われるかもしれません。確かに55歳の時に本気で転職を考えましたが「60代の家計」のページで書いた通り、収入面の理由から転職に踏み切りませんでした。60歳間近よりも55歳で転職した方が選択肢は増えるかもしれませんが余程の能力、技術がなければ年収は大きく下がります。年間3〜4百万近く、55歳から59歳までの4年間で1千万以上減額となる可能性が大きいと思います。それをリカバリーできる有利な転職はかなり難しいと考えました。

また前職ではやりがいのある仕事をしているとの思いがあり、60歳間近まで今の会社で頑張る方がメリットがあると考えました。

ドライバーを選択した理由

運転が好きだったことが一番の理由です。また30代半ばごろまでは自分で売った製品を1トントラックで運んでいたのでドライバーの仕事にそれほど違和感は感じていませんでした。そして何より正社員での求人が多かったこと、大型にステップアップができれば収入アップが見込めたことに魅力を感じました。そのため前の会社で働きながら週末に教習所に通って大型一種免許を取得しました。
しかし実際に運送会社に入ってみるとまずは2トン車からと言われ、そう簡単にステップアップはできないと感じています。60歳前後の初心者では4トン車以上はリスクが高いと思われます。しかし2トン車のトラックドライバーでも決してシニア向けの仕事ではありません。収入面はともかく業務内容は現役で働いているという満足感を得られる仕事です。

今、振り返ってみると

自分の場合は週末のジョギングを続けていてある程度の体力を維持しており、小さいながらもトラックに乗っていた経験もあったことから新しい仕事、そして体を使う仕事であるドライバーを選択できました。ただ一般的なサラリーマンの方にお勧めできる仕事ではないように思えます。運転にはリスクはあります。可能であればそれまでの会社での経験、人脈を活かして60代の仕事を考えればいいのではないでしょうか。

今考えると転職と雇用延長の比較をもう少ししてもよかったのかなと思います。私の働いていた会社では58歳の時点で雇用延長についての詳細が提示されませんでした。収入が半減する、一年毎の契約更新、等々うわさでの情報しか得られませんでした。転職か雇用延長か判断するには雇用延長について具体的な情報が必要だと思います(65歳までの雇用確保が義務となった現在、もっと詳細な条件提示がなされるようになったと思いますが)。

正社員なのか契約社員なのか、毎年の更新なのか
収入はどの程度なのか
業務内容はどのようなものなのか

退職前に得ていた噂程度の情報から考えると自分の再雇用後の姿は次のような感じだったと思います。

毎年更新の嘱託社員
月収は支給額で20万円、ボーナスは年40万円、年収280万円
業務は補助的な仕事

自宅から比較的近いところには事業所、営業拠点はほとんどありませんでしたから手取り200万円前後の仕事で長距離通勤をするより地元企業で働いた方がいいと思いました。


転職を選択した場合はどうかももう少し検討すればよかったかもしれません。私がお世話になった松戸のハローワークで聞いたところ事務職の仕事は求人の10倍以上の求職がありました。特別なスキルを持っているわけではない自分では事務職で仕事を探すことはまず無理と感じました。また22歳の時から退職まで続けてきた営業職はもうやりたくないと強く思っていました。

私は具体的な検討に1年もかけませんでしたがほんとうであれば雇用延長か転職かを時間をかけて検討すべきだと思います。雇用延長については可能であれば先輩社員からの生の情報を入手し、転職についてはネットだけではなくハローワーク、転職支援会社等も利用して現状はどうかを知ることが必要だと思います。さらに複数社の面接を通して自分の職業人としての位置を把握して進むべき道を考えればいいと思います。

家計のこと

わかっていたことですが収入大幅減のインパクトは非常に大きいです。支給額が25万に届かない現状では通常支出は月15万を目指さないと先々苦労します。住宅ローン、生命保険は手を打ちました。さらなる対策は「60代の家計」で書いていきます。

60代の職場

定年前の転職の理由のひとつに職場での不満、人間関係での悩みがあると思います。転職ではそういった悩みがない仕事に就きたいと思っても思い通りにならない可能性が大きいです。
現在の職場は前職より関わる人はかなり少なくなりました。所属は5名のチームです。さらにトラックに乗れば夕方まではほぼ一人です(配送先でのやり取りは1軒あたりほんの数分です)。それでもまったく違う人生を歩んできたメンバーが集まっています。また50代半ば過ぎのメンバーであり、プライドのぶつかり合いとなることがあります。60代の自分はなんのプライスにもならないプライドは持たないようにしていますがまた人間関係に悩むことがあるかもしれません。

60代の転職

2023年で転職して4年目、そして63歳になります。65歳以降、さらにその後のことを考えて行動を起こさなければなりません。
1990年以降、新しい時代へ対応する変化が必要でしたが日本経済は高度成長期の体制、考え方を大きく変えることができずに30年も停滞することとなりました。「新しい資本主義」を掲げる経済政策で挽回に向かうかもしれませんが数年では難しく10年、20年を要すると思います。自分がこれから歩む20年から30年間は急速な高齢化と少子化のインパクトも大きく、十分な社会保障は得られない可能性が高いです。また厳しい財政状況を考えると激しいインフレにより少ない貯えはさらにゼロに近くなるかもしれません。
今考えられる対策は生涯現役で働き続けることです。まずは70歳まで働ける仕事への部署異動、転職を検討します。2022年11月下旬に役員から異動の話をいただきました。2023年2月から新しい部署で働いています。前の部署と比べ、業務量は3倍近く増え、勤務時間は2時間から3時間長くなりました。週休二日ですが連休はありません。60代の仕事としてはどうなのかとの思いもあります。しかし2トントラックドライバーとしては多い給与が魅力です。しばらくは続けようと思っていました。

しかし冒頭で書いた通り、骨折により2ヶ月間休業することとなりました。荷物が運べるようになったらすぐに現職に復帰できるように会社に働きかけようと思います。結果はこのホームページでご報告します。